- 作者: 菊地信義
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/08/29
- メディア: 単行本
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以前中上健次さんや吉本隆明さんの既刊や新刊をさかんに読んでいた頃は、買う本買う本みんな菊地さんの装幀だということがあった。タイトルや著者名の独特な並べ方や、意図はよくわからないながらローマ字を小さく併記したりする手法が何ともかっこよく感じられた。あと講談社学芸文庫など値段が高くてあんまり持っていないけどやはりかっこよかった。この頃は菊地さんの装幀は一目で見分けることができた。ちなみに出世作は埴谷雄高さんの本だったのだそうだ。
中上さんも埴谷さんも亡くなったし、吉本さんの最近の本は菊地さんの装幀ではない。古井由吉さんとか読み続けていると菊地さんがまだ装幀をしてるのだろうか。よくわからないけど、何だか菊地さん装幀の本をこの頃買わなくなった気がする。たぶん菊地さんの作風が少しずつ進化しているのに、僕の目がある地点に留まっているせいだと思う。書店で何度も見かけてるのに、「アミービック」が菊地さんの装幀だとは気づかなかった。