昨日久々にハードカバーを読んだけどそれまで10冊以上連続で文庫本ばかり読んでいた。こんなことは本当に久しぶりだ。何だか学生時代に戻ったみたいだ。その頃に比べると価格は随分高くなった気もするけどそれでも尚一冊一冊を惜しげもなく読み飛ばせて文庫は気が楽だ。それにこのフォーマットが心情的にしっくり来るところがある。そのせいで作品に入って行きやすい気もする。収納にも場所をとらない。
ところで文庫には解説というのがまあ大体付いている。これは読みたくない気持ちと読みたい気持ちが相半ばというのが正直なところだ。読みたくないのは、たまに難解な作品などを読んだとき本編が問題で解説が解答みたいに読めてしまうことがあるからだ(にもかかわらず難解な作品は解説も難解で結局よくわからないことも多い。)。もちろん原則的には本編に問題も解答も含まれている。だからそれがうまく読み取れない場合に解説を読んでよしとするのは安易だ。解説は読まずに済めばそれに越したことはない、とどこかで思っているのは以上のような理由からだ。でも読んじゃうんだけど。
逆に読みたい気持ちを支えているのは、たまにものすごくいい解説に出会えることだ。そんな読んでよかった解説の付いた二冊を挙げる。それにしても解説って大きくうなずかせられるか、いや僕にはそういう風には読めないんですけどあんまりって気がするか、割とはっきりと二つに分かれるように思えるけど、どうでしょうか。
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