指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

「羊をめぐる冒険」再読。

badさんの「水蛇の背」の最近のエントリーを拝見して何だか「羊をめぐる冒険」を読み返したくなった。本棚のかなり奥の方に入っていたのを見つけて引っ張り出して来た。この本を何度読んだことだろう。最後に読んだのはいつだったろう。もうどちらの問いにも答えることはできない。ただ初めて読んでから二十年は経っていると思う。
でも今回はまるで初めて読むみたいにいろいろなことに気づかされながら読むことができている。今までで一番深く読めている気がする。一時メモリーに蓄えておける物語の断片の量が増えたおかげで、それらをアクティブな状態に保ったままいろいろと組み合わせたり思い合わせたりすることができる。以前はそれができなかった。ではなぜ一時メモリーの容量が増えたような気がするのか。衰えこそすれ今更急に頭が良くなる訳はない。物語を読むスキルみたいなものが突如バージョンアップしたような感触なのだがそういうことってあるんだろうか。こんな年になっても。
いずれにせよもう一度「羊をめぐる冒険」に向かうきっかけとなったbadさんにはとても感謝している。