指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

魔法の電車。

阪急電車 (幻冬舎文庫)
会社の人に借りて読んだ。生活実感に若干やすりをかけた程度の倫理に、電車とその沿線の街は覆い尽くされていて、その倫理に抵触した人々が次々と排除されて行くという点では勧善懲悪の人情ものだ。またそれ以外の人の間では簡単にその倫理が共有されてしまうという点ではファンタジーだ。こうして他者のいなくなった魔法の電車の中で、どんな毒にも汚染されることなく幸せな恋やふれあいが展開される。
こういう魔法はでもたいていの人の生活とは無縁なんじゃないかという気がする。