指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

印鑑登録。

経理の担当者に必要になるからと言われたので区役所まで印鑑登録をしに行ったのが昨日のことだった。机の引き出しともうずーっと使っている手文庫を引っかき回したら、父親がいつかくれた姓名四文字の入った蓋付きの木の印鑑が見つかったのでそれを持ち、家人がお弁当をふたつつくってくれて散歩がてら30分と少しかけて行った。最近預金通帳を新しくしたんだけどそのときにキャッシュカードも新調する手続きをして郵送で送られて来たのを持って途中銀行に寄り、ICチップに生体認証のデータを記録してもらった。これで万一カードを紛失しても、無断で使われてしまう可能性をすごく低くできるのだそうだ。
区役所で番号票をとって数分で呼ばれて手続きに入った。住所とか氏名とかを用紙に書き入れて肝心の印鑑を捺す。すると係の人が、これってなんて彫ってあるんですかと尋ねるのでフルネームに決まってんじゃんと思ってしげしげ眺めたら、「○○(僕の姓)蔵書」という四文字だった。自分が蔵書印を持っていることなんてすっかり忘れていた。それを父親のくれたたぶん結構いい印鑑と間違えて持って来た訳だ。係の人に謝って出直すことにした。
風の強い日だったけど近くの公園のベンチに座って家人とお弁当を食べ温かいお茶を飲み食後にいちごポッキーを食べた。なんて言うか、映画だったらリストラにあった中年男とその妻のシーンとしてものすごく典型的なんじゃないかと思ったけど、それはそれなりに幸せだった。秋になったので最近また庭園めぐりを始めた。先々週も子供と三人で向ヶ丘百花園に行きお弁当を食べたばかりだ。ここの売店にはビールも日本酒も用意されていて驚いた。生ビールを一杯飲んだ。帰りに子供は東武鉄道の博物館を堪能した。すごく感じの良い博物館だった。
話を元に戻すと結局どこを探しても父親のくれた印鑑が出て来ないので、こりゃ買った方が早いかということになって今日は池袋で印鑑をつくってもらって来た。夕方早速再び歩いて印鑑登録をしに行った。これでまたひとつ用が済んだことになる。もっともこれからまだまだたくさんの手続きをしないと、僕の失業生活をきちんと立ち上げることはできない。