独居老人のインタビュー集。ただそれぞれの肩書きを見ると、アーティストとか道化師とか日本
舞踊家とか漫画家とかで、今も現役で仕事をしている人ばかりだ。年金だけで生計を立てているような場合でも仕事がある点ではたとえば定年になったサラリーマンみたいな人とはだいぶ趣が異なると思う。お店をやってる人もいてそれはそれなりの収入があるに違いない。だから彼らの多くがとても元気そうに見えるのは基本的に生活の心配が無く独居の割には社会からそれほど切り離されていないからのように思われる。だから楽しい独居老人になるためにはひとりでも楽しく生きられるよう意識的にせよ無意識にせよ老人になる前から備えている必要があるということになりそうだ。組織に頼らず自分ひとりでできる仕事は絶対条件。それに可能なら家賃のあまりかからない住まい、加えて必須じゃないけど自炊できる能力があるとなおいい。いずれにせよふつうの独居老人はこれほど楽しく生きられない気もする。ふつうというのも曖昧な言葉だけど。
