指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

泳ぐ。

 プールに通ってたのはもう四半世紀以上前のことだ。当時勤めてた会社のそばに屋内プールがあったので仕事が終わった後泳ぎに行っていた。割安になるので月決めとかの定期を購入してたんだと思う。なんのかんので一年くらい週五回から六回のペースで通ってた。結構ハードだ。スポーツというものはおしなべて苦手なんだけど泳ぐことはまあまあできるので少し体を動かそうかなと思ったんだと思う。なぜ泳げるようになったかと言うとそれは小学二年生までさかのぼる。けど今日はもう酔っ払ってるのでその話はよす。どっちみち大した話じゃないし。という訳である時期毎日のように泳いでいた。でも結婚することになったのでやめた。新婚なのに家人ひとりをうちに残して自分だけ泳ぎに行くなんてできない。だってずーっとふたりで一緒にいたいから結婚するんでしょ。それが結婚てことの意味でしょ。だから家庭持ちなのに早朝から単身ゴルフへ出かけて行く人の気持ちを僕は終生理解できないと思う。否定も批判もしない。ただわからないだけだ。
 今日は家人に用があってそれ待ちの時間がちょっとあるということでじゃあ泳ぎに行ってみようかと思って行った。そろそろ年寄りだし何か始めるならなじみのある体の動かし方を試してみたいと思ったからだ。昔(四半世紀以上前は昔と言っていい領域ですよね。)は大体一時間で最低二千メートルを泳いでいた。でも百メートル泳いだところで目がくらくらしてしばらく休まなければならなかった。結局一時間かけて四百メートル泳いで諦めて上がった。