指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

またパスタを食べに行く。

 子供が一日出かけていて春期講習は午前中でおしまいなのでお昼はこの前食べに行ったイタリアンでパスタにしようと決まる。開店と同時にお店に入ったらあれよあれよという間に満席になる。かなりの人気店らしい。ムール貝の白ワイン蒸しとかお酒のアテも充実してる。でも僕は外では基本一杯か二杯までしか飲まないので(それ以上飲むと帰り道がつらくなってしまう。)そういうのは口にしない。今日はふたりともミートソースのパスタを選んだ。ランチだとおしゃれなサラダがついてくる。自家製なんだろうかチップ状のフライドオニオンがかけられていてそれがさくさくしてとてもおいしい。パスタは例によってアルデンテよりは柔らかめ。ソースには挽肉の他にビーフシチューに入ってるようなほほ肉のかたまりが入っててこれがものすごく柔らかくておいしかった。味もこの前同様とてもやさしい。ふたりで言葉も交わさずに夢中で食べた。お店を出てからちょっと回り道してスーパーへ買い物に行く。アテとアルコールと夕飯を調達して帰宅。シャワーを浴びてから昼寝の前の一杯を飲む。昼寝の後は夜まで授業。合間に「シャーロック・ホームズの凱旋」を読み終える。おもしろいんだけど僕が持ってるホームズのイメージとは若干異なる気がする。でもどう異なるかと言われると返答に窮する。時間の流れ方とライフスタイルのあり方が違うような気がすると苦し紛れに言ってみる。ホームズものの短編でとても好きなエンディングを持つものがある。細部までよく覚えてないんだけど事件が解決してワトソンに種明かしした後(種明かしじゃなかったかも知れないけどとにかく何かの会話が終わった後)ホームズがこれからどこどこへ食事しに行ってそれからどこどこの劇場へお芝居だかオペラだかを観に行こうじゃないかとワトソンを誘うエンディングだ。夜も結構更けてるシーンだったと記憶してるんだけどその時間帯から食事と観劇(だかなんだか)をしに行くというのが十九世紀ロンドンのゆったりした時間の流れ方とライフスタイルの豊かなあり方を象徴的に表してる気がしてものすごく惹かれた。そういう十九世紀的な時間やライフスタイルは謎解きと同じくらいホームズものの魅力になってると個人的には感じられる。それがこの作品からはあまり感じ取れないということなんじゃないかと思う。読み返してみるとあまり明確には書けてないけど方向としては間違ってない気がする。まあそういうものは狙ってないんだよと言われたらそれまでなんだけど。でもいやしくもシャーロック・ホームズの名をタイトルにうたいこむならそのオリジナルの世界観を再現すべく全力を挙げるべきだという考え方もあっていいんじゃないだろうか。
 今日のスイムは昨日お休みしたにも関わらずものすごくつらくて千泳ぐのに三十五分近くかかった。アップルウォッチによると夜五時間くらいしか眠れてなくて確かに昼寝しても慢性的に眠くてそれが疲れの取れない原因になってるのかも知れない。でもどうしていいかわからない。プロテインの効果も今のところよくわからない。でも明日も泳ぎに行く覚悟ではいる。ちなみに今日もスイム千メートル読書百ページブログ千文字の三冠。