指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

去る者は追わず。

 今日のスイムは26分15秒で千と記録更新。いつもより特にきついともつらいとも思わなかったのでやはり体が変わって行きつつあるのかも知れない。ノンストップでの千メートルは四半世紀前に集中的に泳いでいたときにもできるようにならなかった。今より二十五才も若くて毎日二千メートル以上泳いでいてもこのノンストップというのは無理で二十五メートル毎に一回立って休まなければならなかった。その頃と今の決定的な違いは何かと言えばこれはもう煙草を吸ってるか否かに尽きる。要するにあの頃は肺が汚れてて酸素が今ほど効率的に取り込めず息が続かなかったということになると思う。煙草がそれほど足を引っ張ってたなんてあの頃の自分に言い聞かせても聞く耳持たなかったんじゃないかという気もするけど。禁煙するつもりなんてまったくなかったから。
 今日のバイトはちょっと訳ありで一時間だけ四人態勢になった。二人態勢も休む時間がなくて困る。でも四人態勢も余ってるひとりをどう使えばいいのか頭を悩まさなければならないのでそれはそれで困る。人数が多けりゃいいってもんじゃないので。それで通常の業務を他の三人に任せてデッキブラシでプールサイドの掃除をすることにした。こういうところ古参は自由が利く。バケツをプールに突っ込んで水をくんでまきデッキブラシでこする。頑固な汚れもあるけど赤いカビや緑の藻などはそれだけでまあまあ落ちる。ただし力いっぱいこすればの話だ。バケツだって結構重い。プールの室内は気温がすでに三十二度あるので三十分も掃除すると顔を汗が流れ落ちる。それで顔を洗って受付にいるグレートマザーまーさんのところへ行きデッキブラシも三十分が活動限界ですと言うとじゃあ一緒に受付やろうと言うので残りの時間はふたりで受付にいた。でも何もしない訳にも行かないので簡単な手仕事を見つけて来てそれをやりながらまーさんや通りがかるお客さんと話をする。それで三十分はあっという間に過ぎてバイトは上がり。塾で待ち合わせてた家人と合流してお弁当屋さんへ行ってから最寄りのスーパーで買い物して帰る。シャワーを浴びて飲んで食べて昼寝。すると小四のお母さんから今月で塾を辞めるというメールが来る。小四が辞めるのは四月に入ってすでにふたり目。小四になると学習内容が高度になるので塾に来る回数も増える。当然月謝も上がる。生徒さんが通塾回数に着いて行けないか親御さんが月謝の上げ幅に着いて行けないかどっちかは知らないけど辞めるケースも出て来る。でも小四から塾に入りたいという親御さんも多くて昨日も電話が来て来週体験授業が決まった。失った分を取り戻せたらいいなと考えている。夕方から夜にかけては普通に授業。この筋肉痛は泳いだせいじゃなくデッキブラシのせいだなきっと。