指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

そんなことが楽しい。

 ホワイトボードマーカーは書くことではなく消すことをメインに選んでるということは随分前に書いたかも知れない。よく書けるよりよく消えるものの方が望ましい。消えにくいと消すのに強い力が必要になるしそれって割に大変な作業だからだ。それで一種類お気に入りのよく消えるものがあるんだけど以前は近くでも手に入ったんだけど今は池袋のサンシャイン近くにある西友の地下の百均にしか置いてなくて面倒だけど必要なのでなくなると買いに行く。昨日もあいにくの天気だったけどなくなったんで買いに行った。午前10時過ぎに池袋に着き家人が最初に舟和の芋ようかんを買いに行きたい帰りだと買いに行く元気がもうないかも知れないからと言うので西武に行く。ついでに子供がまだ小さい頃に大好きで泣いててもそれをあげると泣き止むほどだった坂角総本舗のえびせんべいのゆかりをおみやげに買う。ISPを通りヤマダ電機エスカレーターで地上に上がってサンシャインに向かって歩く。細い雨が降っている。普段に比べるとやはり親子連れの姿が目につく。東急ハンズの向かって左手にある長いエスカレーターを下ってから動く歩道に乗ってサンシャイン到着。まずは通路を通り抜けていったん外へ出てしまい道を渡って家人は西友へ僕は地下の百均へ。ホワイトボードマーカーをあるだけ9本買って階段を上って家人と合流する。お昼と夕飯の用意を買うつもりだったけど子供のお昼をどうするか悩んでると家人がサンシャインの中に丸亀製麺があることを思い出し子供も大好きなのでうどん弁当にしたらどうかと言う。そうすることにして夕飯のしたくと飲み物を買って西友を出る。丸亀製麺がオープンする11時までにはまだ10分くらいあったのでサンシャインの2階のベンチに座って飲み物をふたりで分けて飲む。それからブルーブルーエで雑貨とか見る。ディック・ブルーナのノートパソコンケースが結構大きくてテンキーのついてる僕のノートでも入りそうに見えて一瞬どうしようか迷ったけどもしも入らなかったらと思うと二の足を踏まざるを得ない。それから「11ぴきのねこ」のショッピングバッグと言うかエコバッグがあってこれがもう鬼のようにかわいいデザインで「11ぴきのねこ」は前にも書いた通り物心ついた頃からの大ファンなのですごく欲しかったんだけどエコバッグにしては高価で家人がエコじゃないよねと言うので泣く泣く諦める。それから丸亀製麺に行くとまさかの長蛇の列で家人とふたりでどうしようか迷う。こどもうどん弁当がすごくヒットしてるみたいだ。確かにおいしそうだもんね。念のため並んでみると割に順調に列が進んで行き結局20分ほどで買えた。それだけじゃ子供は足りないだろうということでまたヤマダ電機に戻ってエスカレーターで地下に下りエスカレーターの使用料代わりに地下の薬局で常備薬を買ってからISPのたごさくでおこわのセットを買う。全部で2時間ほどの行程。駅前でまた少し買い物をして帰るとまず買ってきたものを全部アルコールティッシュで拭く。それからシャワーを浴びて家人と一杯飲んでから三人で昼食。子供が夏休みに入ってから三人で昼食をとる機会が増えた。その代わりふたりだけなら適当なもので済ましたりできるけど子供がいると割に気を使わなければならない部分もある。しかしまあ子供に食べさせるのが親のいちばんの役目だし仕方ない。今日のテーマはこういうことの一切が割に楽しいんだなということ。雑貨を見たりうどん弁当にしようと思いついたり家族でご飯を食べたりということのひとつひとつがすごくというほどでもないんだけどなんとなく楽しい。今更そんなことに気づいたのかと自分でもびっくりだけど今更ながら気づいた次第だ。ここでもその日何をしたかつらつら書くことがたまにあるけどそれって楽しかったからなんだな。そんな生活をすることもそんな生活について思い出しながら書くこともそこはかとなく楽しい。生活はもちろんつらく重い面もあるけどそうでない面もある。あんまり当たり前のことなんで自分で書いてて馬鹿みたいだけど。

もうお盆進行なんだろうか。

 午前も午後も仕事でうちから塾までの2、3分の距離を行ったり来たりしてるだけなのではっきりしたことはわからないけどなんだか全体的にひっそりしてるような気がする。もうお盆進行なんだろうか。うちのそばに何ヶ所かある工事現場も最近相次いで建物の解体が終わったところで建築計画の札だけ立ってるけどすでに工期に入ってるのに誰も作業員がいないのはこれはもしかすると建築資材の手に入りにくさが影響してるのかも知れない。だからお盆休みとは無関係なのかも知れないけどどちらにしても人の姿が少ない。でも前にも書いた通り個人的にはこんな風にひっそりした東京の街が好きだ。どうしてかは自分でもよくわからない。うちの界隈は元々とても静かなところだ。それが今はよりひっそりしていてすごくいい。ずっとこうであればいいなと思っている。
 今日はワクチン接種の申し込みが久々に再開される日で決められた時間になる前から家人とふたりでサイトを立ち上げて待っていた。そして時間が来たら即座にログインした。でも最寄りの接種会場はそもそもワクチンの提供数が少ないのか8月や9月はおろか10月までもう空きがない。つか今回のワクチンの総数ではとてもそんな先までまかないきれないのかも知れなかった。でも予約開始からわずか20秒くらいしか経ってないんだよ。ワクチンに対する人々の意識の高さがうかがわれた。ところが家人が開いたこのあたりでいちばん大きな接種会場はまだ空きがあって運良く8月中に一回目の接種予約ができた。一回目が予約できると自動的に二回目も予約になるのでとりあえずこれでひと安心。言い忘れたけどこれは子供の分のワクチンで前回予約に失敗してからずっと予約が再開されずに区が出す情報に目を光らせながら首を長くして待っていた。できれば夏休み中に二度目が受けられればよかったんだけどそれはちょっと無理だった。でももちろんぜいたくは言えない。夏休みが終わればうちで最も感染リスクが高いのは毎日電車で通学する子供ということになるしできるだけ早く接種したかった。家人もずっと気にかけていたせいか今日無事に予約が取れて安心しすぎて体から力が抜けていた。とにかくよかった。
 授業に来ない生徒さんがいたのでメールで問い合わせたらお盆だから塾はないと思ってたという親御さんからの返信が来た。やっぱりもうお盆扱いになってるんだね。でもうちがお盆なんて一度も休んだことないってもう何年も通ってんだから覚えといてよと思う。きちんと来てる子だっているんだしさ。

ワクチン接種三日目。

 午前2時頃寝て朝方お手洗いに行くと特につらさは感じられない。振替休日で仕事が休みなのでとりあえず寝られるだけ寝ようと決めてたんだけど8時前に雨音で目を覚ます。カーテンを開けるとまた土砂降りの雨。寝直す気にならずそのまま起きることにする。熱は36度3分と通常よりいくらか低い。でもそこはかとなく熱っぽい感じが残っている。いつものように水を1リットル飲んでから朝食を食べ家人と一緒に洗濯物を干す。後は静かにしている。先ほど9時半くらいに測ったら6度7分でまあ大体最近の平熱に戻っている。熱っぽさもほとんどない。もしかしたら副反応もこれでおしまいなのかも知れない。一般的に若い方が副反応が強く出ると聞くのでなんとなく副反応が強い方が免疫も強くつくんじゃないかというイメージを持ってしまう。アルコールを常用してると免疫が弱くなるとも前に聞いたことがあってすると僕なんかの免疫は最弱なのかも知れない。でもまあなんにせよやるだけのことはやった。
 ところで個人的に体温計にはちょっとしたトラウマを持っている。小学校に上がる前は本当に体が弱くてよく熱を出した。それであの水銀計って言うのかな銀色の線が伸びて行ってその先の目盛りを読んで体温を判断する古いタイプの体温計を脇の下に挟んでよく熱を測った。ところが子供なので脇の下自体が小さいこともあってしかるべき場所に体温計の先が当たってないことがしばしばありそうなるともう一度計り直さねばならなかった。体温計が五分計だったこともあってただでさえ熱でつらいのに測り直しでもう五分じっとしていなければならないのがすごくいやだったんじゃないかと思う。それでこの年になっても体温計を脇に挟むときにずれてないかすごく気になり慎重に位置を確かめる。今まで誰にも話したことがないけどこれはちょっとした心の重荷だ。その後三分計が現れデジタル式になって音で測り終えたことを知らせてくれるようになり今うちにあるのはデジタルの一分計でワクチン接種で使ったのはさらに計測時間が短かったような気がする。あの懐かしくも忌まわしい水銀の五分計からすると体温を測るのは本当に楽になった。でももしかすると具合が悪いのに五分もじっとしてるのはいやだというのは割に普遍的な思いでだから体温計はこれほどの進化を続けて来たのかも知れない。手首や額で一瞬にして体温がわかるなんて本当に夢のようだけどワクチン接種でも正式な体温はやはり脇の下に挟むタイプの体温計で測った値を採用していたのでまだあくまで近似値的な扱いなのかも知れない。個人的にはもちろんその精度がもっと上がることを期待している。かつての自分と同じ体の弱い子供たちのためにも。

副反応。

 ワクチンに関する注意書きを丁寧に読んだら接種後は過激な運動と過度の飲酒を避けろとあったのでなんだ過度じゃなきゃ飲んでもいいんだと思って昨夜は夕飯の前にチューハイのロング缶を一本飲み寝る前は普通に寝酒を飲んだ。家人は心配して少しにしといたらと言ったけど。それでぐっすり眠れて午前6時くらいに目が覚めてお手洗いに行くと熱っぽい気がする。でも気にせずに寝直していつもより遅くまで寝ていた。起きて熱を測ると37度4分。一回目を上回ってるけどまあ微熱と言えば言える。氷水を1リットル飲んで少しして計り直すと6度7分まで下がっている。でも肌を触るといつもより熱い感じがするし頭もぼんやりしている。若干寒気もする。朝食の後のどが渇くのでもう1リットル氷水を飲んで今は静かにしている。接種部位は鈍く痛む。これは一回目の接種と同程度のように思われる。また後で続報をアップします。
 午前中何度か熱を測るもずっと7度1分。でも体温の割には体が熱いし頭がぼんやりしている。強い雨なので遠くまで買い物に行くのは諦めて近くのコンビニに昼食を買いに行く。家人に任せるつもりだったんだけどとりあえず自分の食べるものは自分で見繕いたくてふらふらついて行く。おなかは普通に空く。寒いので温かいものが食べたくてラーメンとなぜかサラダが食べたいのでサラダと例によってチューハイを一本買って来る。シャワーを浴びてからサラダでチューハイを飲んだ後ラーメンをあっためてもらって食べる。それから昼寝。いつもより長く三時間にわたってぐっすり眠れる。起きるとさらに熱っぽくなってるので測ると7度5分と今期最高をマーク。子供が買って来てくれたアクエリアスを飲みながら静かにしている。ひたすら熱っぽいけど腕の痛みは一回目ほどひどくないみたいだ。
 その後午後6時頃熱っぽいのと寒気に耐えられなくなっていったんベッドに戻る。夜眠れなくなるのがいやなので眠らないようにしたけどうとうとしては目覚めまたうとうとしては目覚めを繰り返したみたいだ。7時に起きてリビングに戻るも状況は一向によくならずアクエリアスの続きを飲みながら静かにしてるといつしかつらさの峠を越えていて急に体が楽になった気がした。熱を測ると7度7分とまた最高を更新。風邪の発熱と同じで熱が上がり切れば楽になるというパターンかも知れない。その後は結構順調で熱は大体7度4分くらいを行き来しているがだるさも寒気も収まっている。熱っぽさは少しある。それと接種部位の痛みはだいぶやわらいだ。
 午後10時半くらいからいつも通りに寝酒を飲む。体温は何度か測って6度3分まで下がる。でも熱っぽい感じは抜けないようだ。どうなるかわからないけどいったん寝ることにする。

ワクチン接種二回目。

 会場が暑いので家人の付き添いを断ったらじゃあ会場には入らないから近くの涼しいところで待つというので一緒に出かける。時間が早過ぎたので近くのマックに入ってオレンジジュースを飲みながら15分ほど時間をつぶす。それから家人と別れて会場に行くと決められた時刻ジャストくらいだったためか前回のようにすぐ受付にはならず列の後ろに並んで何分か待つ。手首で検温されたら35度1分ということでいくらなんでもそりゃないだろうと思う。後できちんと測ったら6度7分だったので手首で測る機械はあまり信頼できないんじゃないかと思う。この間にバックパックから接種券と身分証明書を出して準備。受付に通されるとその両方を係の人に渡してチェックされ問診票とクリップボードとボールペンと共に返される。今回は会場に入ってから問診票に書き込むシステムらしい。座って体温計で検温した後書き込み始めると前回の接種日を書く項目があってとっさに思い出せなかったのでスマホを出してカレンダーを開くと係の人がすぐに察して近寄ってきて接種券に書いてあると教えてくれる。わかりづらくてすいませんと言うのでいえいえと返す。問診票を下の方まで書き込むと問診票のどの当たりに書き込んでるのかうかがっていたんだろう即座に係の人がやって来て書き終わりましたかと言う。自信がなかったので多分と答えるとチェックしてくれておくすり手帳はお持ちですかと問うので出して見せる。すると前回同様三つあるブースの空いてるところを探してあちらへどうぞと誘導してくれる。ブースの前にも係の人が待っててこちらを見ながら手を挙げてくれる。行くと医師が座って待ってるのでいすに腰掛けよろしくお願いしますとお互いに挨拶。問診票とおくすり手帳をチェックして病名を確認され一度目の接種で何か問題があったか尋ねるので接種部位の痛みと微熱があった旨答える。それなら大丈夫でしょうとのことで署名してもらって接種のブースへ。アルコール消毒は大丈夫か訊かれ腕を楽にするよう指示を受ける。少しちくっとしますという言葉を聞き流しながらやや緊張気味に接種を受ける。今回の人は上手なのか痛みもあまりなくかかる時間もすごく短い。接種部位をあまり触らないように今日のお風呂は短めに運動とアルコールは控えてと前回と同じような指示が出る。それから15分間の待機。その前に接種券から必要なシールをはがして渡される。これが接種の証明書となる由。待機中やはり少し意識が遠のく感触があり前回のそれも錯覚じゃなかったのかなと思われた。タイマーが鳴ると出口に誘導されお疲れ様でしたと声をかけられるのでありがとうございましたと返す。クリップボードやタイマーなどを出口で返却して会場を出る。これで二回目の接種は完了。ほんとによく気がつく感じのいい人たちだと改めて感心する。歩いてみると特にふらつく訳でもなく普通にしっかり歩ける。家人と待ち合わせて昼食の用意を買ってから帰宅。帰って体温を測ると6度6分。昼寝は止めにして昼食後すぐに教室に来て夏期講習の準備をしている。今のところ接種部位も痛まず倦怠感疲労感などもない。熱っぽい感じもしない。前回は夜中にわずかに熱が出たので今回も少しは出るんじゃないかと思っている。たまに痛みがあるときに飲むロキソニンを用意している。僕には合ってるみたいでこれまで特に問題がなかったからだ。

付き添いはいいよ。

 明日がワクチン接種二回目。感染者数は増加の一途だけどなんて言うか危機感は去年の春とかの方がはるかに強かった感じがする。まだ正体がわからない割に恐怖ばかりあおられていたから。それはさておき接種会場は空調があまり効いてなくて汗っかきの家人にはつらそうなので明日は付き添いに来てもらわないことにしようと思っている。まあひとりでも大丈夫だろう。

割にのんびりしている。

 年によっては週五、六回午前中に入れてた夏期講習を今年は三回くらい(週によって若干異なる。)に減らしたので割にのんびりできる日が多くなった。しなければならない仕事上の準備もないではないんだけど大急ぎということもないので(ないが多い。)ちょっと気にかけながらもほっといている。それで午前中は例によってノートパソコンにヘッドホンの端子を挿して音楽を聴きながらいろいろなブログを見て回っている。家人はかたわらでゲームをしたり仕事をしたり編集さんと連絡を取ったりしている。本の表紙って作者の方(ほう)からイラストレーターさんを指名したりできるんです。ご存じでしたか。僕は知らなかった。全部編集さんが段取りするもんだと思ってた。ウェブ上で見つけた素人のイラストレーターさんを指名すると編集さんが連絡取ったりしてくれるらしい。ただ素人の方(かた)は仕事が欲しい場合でも基本的に自分の描きたいものしか描いてないから実力を見極めるのが難しいとプロみたいなことを家人は言う。つか、みたいじゃなくてプロか。だから素人のイラストレーターさんはほんとに仕事が欲しいのならキャラクターとかだけではなく建物とか乗り物とかいろいろなものをいろいろなアングルで描いてアップしといた方が目にとまりやすいらしい。その他作家というのは意外にいろいろ理不尽な目に遇うものらしいんだけど家人に断り無しにここに書いていいかどうかわからないのでとりあえずやめとく。
 で見て回ってるブログなんだけどなかなか素敵なものに辿り着かない。昔は結構たくさんのブログを毎日楽しく拝読していた。まだツイッターフェイスブックもなくウェブで発信するならブログがいちばん手っ取り早かった頃の話だ。そう言えばスマホもなかった。今更こんなこと言うのは馬鹿みたいだけどスマホツイッターは発言するスタンスと文体とを不可逆的に変えてしまったなあとつくづく思う。そんなことわざわざ言わなくていいじゃんと思うことを誰もが無反省に言ってる気がする。特に悪意がストレートに発露されてる場合はこれは書いてる人が悪いんじゃなくてメディアが悪いんじゃないかと思わされる。だって悪意なんて誰にだってあるものだしその存在自体を否定することも悪意だからと言ってそれを持ってる人を否定することもできない。ツイッターさえなければこの人がそんなの公表することはなかったんじゃないかとどうしても思ってしまう。んだけどちょっと脱線した。
 でも最近のブログはどうも僕には合わないみたいだ。大体猫も杓子もアフィリエイトしてるのが気になる。そんなに儲けたいのと思ってしまう。かつてインターネットは無料の善意にあふれていた。ソフトウェアに不具合があれば有志の方がパッチをつくって配布していたしWEB裏技さんだってCGIプログラムのほとんどを無料で使わせてくれた(きっと今でも。)。日頃から善意を疑って生きてるのにその言い分はおかしいじゃないかと我ながら思うけどでも無料の手助けにはやっぱり心温まるものがあった。まあ超弱小ブログなので逆立ちしたってそんなことできる訳ないけどアフィリエイトなんか絶対しない。書きたいことを書いてどんな対価にも手を伸ばさずに読んでいただく。読み返してみたら頑固じじいの世迷い言みたいだ。でも構うもんか。

wantを知らない。

 最近塾に来た中二の生徒さんは不登校気味ということでどれくらい通学できてるのかわからないけど不登校は本当にデリケートな問題で下手につつくと本人をすごく嫌な気持ちにさせてしまうので学校のことは一切聞かないことにしている。ただ英語がとても不得意そうなので基礎の基礎から復習を始めた。するとwantが訳せいないことがわかった。ということはかなりの重傷ということになると思う。ただ数学は少なくとも塾で教えたことはそれなりにわかってるようなので学習障害がある訳ではなさそうに思える。英語は単語を覚えないとどうしようもないんだけど前にも書いたかも知れないけど腰を据えて何かを覚えるという作業を面倒がる生徒さんというのが一定数いて困る。個人的には新しい単語を覚えると世界が広がるような気がして楽しかったので喜んでどんどん覚えた記憶がある。そんな生徒さんなら教える方もさぞかしやりやすかったろうと思う。でもそうではないので手取り足取りで静かに進んで行くしかない。
 もうひとり7月30日に触れた中一の生徒さんもすでに書いた通り英語が苦手だ。ただ当初は勉強の習慣をつけることが最優先のように思われてそのために毎日自習のために塾に来ていいかと問われたのでいいということにした。するとほんとに毎日塾に来て夏休みの宿題を1時間半くらいやる。お母さんが言うのと違ってすごく集中してるのでなかなかいいんじゃないかと思ってた。質問もきちんとするし。すると昨日お母さんからメールが来て夏休みの宿題だけでは足りないと本人に言い聞かせて欲しいとか英語の宿題を出せとか言って来た。ただそれでは当初の目的からぶれてしまう。まず気持ちよく集中して勉強する習慣をつける方が先だ。今塾ではそれができている。充分な成果だ。負荷をかけるのはもっと後の話だ。そう思ったのでその旨メールした。すると返信があって塾で集中してるなら安心だとあった。でもいちばんの問題はこのお母さんだという印象は拭えない。学習相談のときあれだけ話をまとめて割に確固とした方針を立てたのにあっという間に耐えられなくなって余計な口出しを始める。言っとくけどろくなことにならないよ。子供といえども独立した人格なんだ。母親の所有物じゃないんだぜ。

夜歩く。

 「夜歩く」ってなんのタイトルでしたっけ。子供がダイエットのため夜二時間くらいウォーキングしてて思いついたんですけど。昼間歩くのも熱中症とか心配だけど夜歩いててなんかからまれたりとかしないといいなと毎日思ってます。酔っ払って書いてます。

矢吹丈は生きている。

 うちは朝の時間帯なんとなくテレビをつけっぱなしにして見るともなく見ている。TBSの「ラヴィット」は始まる前は結構期待していた。でも何回か見たところテンポが悪くて間延びしてるような印象ができてしまい見るのをやめた。それが先週だったかたまたまTBSにチャンネルが合っててやはり見るともなく見てると麒麟の川島さんが「あしたのジョー」について触れていた。それによるとジョーが真っ白に燃え尽きたラストシーンについて検死の専門家がもし死んでたらこの姿勢ではいられないという意味のことを2018年だったかに言ったという。つまり矢吹ジョーはあのラストシーンで死んではいなかったということでそう考えるとなんだかすごくうれしい気もする。それを耳にした作者のちばてつやさんもよかったと感想をもらされたそうでその話もなんとなく心温まる。でもホセ・メンドーサと戦ったカーロス・リベラがパンチドランカーで廃人みたいになってしまったように同じパンチドランカーを抱えたジョーもそうなっていなければいいなと思う。もしそうなってても白木葉子が一生面倒を見てくれたかも知れないけど。つかジョー自身がこの時点ですでに結構なお金持ちなのかも知れない。つか普段見てない番組でたまたまこの情報に出くわすなんてジョーについては我ながら引きが強いなやはり相当好きなんだなと改めて感じ入った次第。

家人のワクチン接種。

 昨日は家人の新型コロナウィルスのワクチン接種に付き添いで出かけた。会場も同じなので行程も同じ。ちょっとだけ違うのは副反応で熱は夜までに最高37度4分まで上がった。十歳若いだけあって副反応が起きるのが早い気がする。それから注射した場所が僕のように腫れたり熱を持ったりということはなかったけど痛みはあって腕を曲げる角度によってかなり痛む由。触ったら痛かった僕の場合とは少し違うらしい。明日になれば気にならなくなるんじゃないかと思うけどなんか男女差もあると聞くしどうなるか見守っている。他に倦怠感などは無くて昨夜の夕飯は熱のせいでさすがに子供に頼んでお弁当を買って来てもらって食べたそうだけど今日は普通に家事をこなしルーティーンのスプラトゥーン2もプレイしている。なのでそれほど心配してない。
 その後買い物に行ってお昼を食べて昼寝して起きて夕方仕事に出かけた後に家人からラインが来て37度9分まで熱が出たと言う。僕は接種の日の夜にほんの微熱が出ただけで翌日はまったく普通に外出もして全然平気だったけどやはり性別のせいか年齢のせいか家人の副反応の方がひどいようだ。つらいので解熱剤を飲んで一時間後には7度3分まで下がったということだけどまた夜に向かってどうなるかわからない。炎天下に外出したのがよくなかったのかも知れない。でも今日は簡単なのもだけど夕飯も買ってあるしもう外出する必要もないのでゆっくりして欲しい。普段熱なんて滅多に出ない人なのでたまに出ると余計につらいんじゃないかと思う。

珍しく電話がかかって来た。

 先週だったか珍しく塾に電話がかかって来て出ると中一の男の子を持つお母さんだった。それで結構二十分くらい話した。中学受験に失敗して志望校に入れずそしたら燃え尽きみたいになっちゃって中学に入ってからうちではほとんど勉強しないというのが主な悩みのようだった。成績もすごく悪いと言う。それでまあどんな対策をするかということを思いつくままに話した。すると一昨日サイト経由で体験授業の申し込みがありその同じお母さんからだった。それでメールを返信したんだけど前にも書いたようにスマホの場合パソコンからのメールをブロックしてる人というのが結構いて確認のために電話もしてみた。するとまた長々といろいろ相談されてそれにも思いつくことを答えた。それで今日の午前中来てもらうとすでに相談することも尽きていたのか学校の定期考査の問題や解答用紙や各教科の得点の表などを見せられた。それによると英語以外は割に悪くない得点で学年で下から一割くらいのところにいるのは英語が破滅的な点数だからのように思えた。解答用紙を見た限りでは英単語の綴りからしてすでに怪しい。それでとりあえず英単語というのは自分で覚えなければいけないので英語を上げたいなら自主的に取り組む覚悟が必要だと本人に伝えた。ジャストシステムのスマイルゼミをやってるということで効果があるかどうかお母さんから尋ねられたのでタブレット学習というのは自分から勉強することのできる生徒さん向けのもので今はそれよりも前の段階にいるのであまり役に立つとは思えない、時間がかかるとは思うけど自主性からじっくり身につけて行く方が先だと思うと答えた。その後苦手に思える英単語のテストをするとやはり半分くらい書けない。書けるのはdogとかcatとかでstudentやteacherになるとまるでお手上げ状態。まあ夏休みで学校の授業が進まないうちに基礎からやり直そうという方針を伝える。するとお母さんが是非お世話になりたいのでここで申込書を書いて行っていいかと言うので書いてもらって即決となった。正直助かる。ただ気になるのはお母さんが子供に対して過干渉でなんでもかんでも自分の言う通りにさせようとしていることだ。経験上こうした親御さんを持つ子供はどこかで親に対してとんでもない反抗に打って出る。本当に改めなきゃいけないのは子供より親の方な気がする。でも言っても聞いてはもらえないと思うので黙っている。それとこういう親御さんの場合それほど長くは塾に通ってもらえない。さてどれくらい続くもんかねとやや自虐を込めて考えている。

たまには弱音を吐く。

 基本的に性格が暗いしもともと情緒不安定だしよく落ち込む。落ち込むと何もしたくなくなる。でも何年か前本当に追い詰められたときブログを書くことで救われてたんじゃないかと最近気づいた。確かに書き続けてるときの方が調子を保てる気がする。書こう、大したものじゃないとしても。

「ありがとう」。

 今日で塾を辞める生徒さんが帰ったあと机に赤いペンで小さく「ありがとう」と書いてあるのに気づいた。随分長く通ってくれて初めはいろいろ話したんだけど途中から思春期に入ったのかぱったりしゃべらなくなった。だから塾についてどう思ってるのか全然わからなかったんだけど面と向かっては言えなくても密かに感謝を伝えたいと感じるほどには何か思うところがあったのかも知れない。とにかくこれはちょっとこたえた。ずしんと来すぎるのでこういうことをするのはほんとやめて欲しいと逆説的に思う。こちらこそ長い間ありがとう。

「ダンス・ダンス・ダンス」。

 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の「僕」や「私」も好きだけど鼠三部作の「僕」もやはり好きだ。彼らは今これを書いている僕と「失うこと」を共有している。自分が「失うこと」を誰かと共有してるなんておそらく自分ひとりでは気づくことができなかった。でも気づいてみると彼ら同様僕もたくさんのものを失っていた。そのうちのある部分は取り戻すことができるし他の部分はおそらく永遠に取り戻すことができない。「風の歌を聴け」の「僕」にちょっとだけ習えばこのブログも取り戻すことができたものと失ったままのものをリストアップしただけのただの一覧表に過ぎないかも知れない。鼠三部作は「羊をめぐる冒険」でいったん終わった。それはハッピーエンドではなかったかも知れないけどほんの少しだけ明るい予感を後に残した。それから時が経って思いがけず耳の美しい女の子と羊男を架け橋として「僕」が再び現れることになった。そのこと自体もすごくうれしかったしお話もとてもおもしろかったしキャラクターも皆魅力的だったし最後の一行が疑いようもなく残した明るい印象もうれしかった。だから長らく「ダンス・ダンス・ダンス」を村上さんのいちばん好きな作品と思って来た。この本は表紙から何から全部気に入っている。「村上T」に出版社のノベルティーとしてこの作品の表紙をモチーフとしたシャツの写真が掲載されてるのを見たときいいなあ、これは欲しいなあと思ったことはすでに書いた。その時点ではこのシャツも僕にとっては失われたもののひとつだった訳だ。でもユニクロが多少デザインは異なるけどこの作品のTシャツをつくってくれた。他の小説作品をモチーフにしたものも全種類買ったけど後から冷静になって考えると「ダンス・ダンス・ダンス」が桁違いに気に入っている。それでもう何枚か欲しいと思った。ここから話が一気に世俗的になるんだけどあるとき近くのユニクロへ行ったらもともと1500円だったTシャツが990円になってたので二枚買った。それから何日か前にユニクロのサイトを見たら790円にまで下がっていたのでまた何枚か買おうとしたらXLとLのサイズはそれぞれ一枚ずつしか買うことができずその後サイト上の表示ではこのふたつのサイズはsold outになってしまった。送料が無料になると言うので近くのユニクロの店頭受け取りを頼んで今日取りに行ったらLサイズならまだ何枚か店に残ってるのに気づいた。それでさらに三枚購入。体型で言うとLでもXLでも着られるので。これで向こう何年か夏の僕は「ダンス・ダンス・ダンス」だろう。
 でも今の僕は「海辺のカフカ」がたぶんいちばん気に入ってると思う。いやTシャツではなく作品の話。今のところこの作品が最も不可解だからというのがその理由になる。他に短編にも好きなものがたくさんある。でもその話はまた。