指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

微熱図書館。

朝から微熱が続いていたのだけど天気が大変よいことでもあり、また前回借りた本の返却期限日でもあったので子供を連れて図書館までの道をゆるゆる歩いて行った。空気がさわやかで気持ちよかった。返却の後、絵本のコーナーで子供が本を選ぶのを待っていると、お父さん、向こうのコーナーから雑誌をお持ちになってここで読まれてもいいですよ、と係の人が親切に教えてくれた。それで群像を探すとすぐに見つかった。諏訪哲史さんの群像新人賞受賞作「アサッテの人」は巻頭に掲載されていた。凝った文体で微熱の頭にはちょっときつかったし時間が無くて数ページしか読めなかったけど、小説が無意識に前提している嘘を自覚した上での、小説についての小説のように思われた。「死霊」の制作作法を極端化と曖昧化と神秘化と言った埴谷雄高さんを思い出した。この作品は長く時間をとって図書館で読み通すか、単行本を待って買って読みたい。
それから違うフロアでまた加藤典洋さんの本を探すと今週は借りられていて一冊もなかった。それで江藤淳さんの「漱石とその時代」と家人から頼まれた本を借りた。公園でちょっとだけ子供を遊ばせてから駅前のマックでお茶を飲み、いつものカレーをテイクアウトして帰った。
昼食後昼寝をしている間に熱が上がったようだ。目の奥が痛いが椎名誠さんの「武装島田倉庫」を読んでいる。今週は仕事がひどく忙しくて風邪を引く前には十二指腸潰瘍が再発した。やれやれ。