指栞(ゆびしおり)

すまじきものは宮仕え。

午前中にひとりで教室にいるのが好きだ。

 もしかしたら前にも書いたかも知れないけど午前中雑用があって教室で作業してる時間がとても好きだ。自宅にいると午前中というのは結構無駄に過ごしてしまうことが多い。去年の中頃くらいからしばらくは村上春樹さんの作品を割とハイペースで読み返していたしその後はパソコンにヘッドフォンの端子を突っ込んで古いダンス・ミュージックをまとめて聴いたりしていたのでそういうことはなかったけどそれはむしろ例外で家人がゲームしてるのをぼんやり眺めていたりテレビのニュース・バラエティー番組を延々見続けていたりとどうでもいいような過ごし方をしてしまうことが多くそれは精神衛生上あまりよくない。こんなことしてちゃ駄目だという気がどうしてもしてくる。うちは食料品、日用品の買い物をお昼前にするのでそれだけが唯一有益な時間に思えて多少救いなんだけどよく考えるとそれも特に生産性の高い時間の使い方ではない。学校が長い休みのときの講習会などで午前中授業ができれば精神的には随分楽だけど前にも書いたようにそれだと体がきつい。なかなか難しい。つかわがままなだけか。
 今日は生徒さんたちに渡す月謝袋の準備をしに朝から教室で作業しながらマドンナのファースト・アルバムを聴いた。無為じゃない時間を過ごしているととても気分がいい。それにこれは割とよくできたアルバムなんじゃないかと思う。若いせいかマドンナの声もとてもかわいい。アルバムを一枚聴き終わる頃にちょうど作業が終わり一緒に買い物に出かける家人が迎えに来るまでにまだ時間があったのでアルバムをビリー・ジョエルストレンジャーに替えてこれを書き始めた。音楽を聴きながら文章を書くのもとても好きだ。70年代と80年代の音楽。生活にいつも音楽があった頃に体にしみついた音楽。そういう音楽を持てたことでは自分に感謝している。
 昨日の午前中は都が貸してくれる予備校代と大学の受験料の申請をしに区の機関へ行った。まだいろいろ面倒な手続きがあるみたいだけどとりあえず一歩は踏み出した。貸してくれると言っても大学に受かると返済しなくていい。それから日本学生支援機構に夏頃申し込んだ奨学金の申請が通った旨暮れに連絡が来て給付型(返さなくていい。)と貸与型(返さなくてはならないけど無利子。)のふたつの奨学金が受けられることになった。貸与型の方は子供本人が借受人で親が連帯保証人、その他に四親等以内の保証人が必要とのことでこれは僕の弟に頼むことにした。ただし奨学金が支給されるのは入学後なのでどちらにせよ初年度の入学金と受講料は工面しなければならない。これは前に書いた通り生命保険を一部解約してまかなう。僕みたいに超の付く貧乏人でも(あるいはある意味では貧乏人だからこそ)手を尽くせばなんとか子供を大学に通わせることができそうだ。奨学金の返済も子供に一切負担をかけずになんとかできると思っている。大学の費用についてはずっと頭を悩ませてきたけどちょっと見通しが立ってそれもまた気分の明るさの一因だ。
 昼食前に一杯やって昼食後に昼寝して起きてからパソコンでメールをチェックするとウェブサイト経由で体験授業の申し込みが二件来ていた。もうすぐ丸八年になるけど一日に二件の申し込みというのはこれでたったの二度目。ただこのブログを読み返すと昨年は2月に計六件の申し込みがあったらしくもしかしたら今くらいの時期に塾に入ることを考える人というのが割に多いのかも知れない。八年弱の低空飛行もそろそろ終わりにできたらいいと思っている。心から。