最近本当に久しぶりにVAN Jacketのサイトを訪れたのはこの前早大でちょっといいスクールマフラーを手に入れたのがきっかけなんじゃないかと思う。なんて言うか久々におしゃれというものに興味が湧いた気がした。駄目になったアイテムを補充するだけなので今の被服費と言うと月に千円くらいという気がする。昨日のサコッシュと例のスクールマフラーの前に買ったのは多分無印良品のバックパックで一年近く前だから9月までの一年弱の被服費は月数百円くらいかも知れない。あ、スーパースターも買ったか。やっぱ月千円くらいか。ニューヨーカーだJプレスだポール・スチュアートだラルフ・ローレンだと言ってた学生時代と比べると隔世の感がある。銀座のポール・スチュアートでツイードのジャケットを買ったというんだから恐れ入る。上から下までユニクロの今ではそんなところに足踏みすること自体気が退けるを通り越してなんだか空恐ろしい。でもサイトでスウィングトップやスタジャンの画像を見てるうちこうふつふつとおしゃれ心が沸き上がってきた。VANのそのアイテムを買ったのは子供が幼稚園のときだからなんのかんので十五年くらい前のお話だ。両者とも当時と比べると二、三割値上がりしてる気がする。とても手が出ない。でもまあ見るだけならただなので近くにショップがないかサイトで探したら池袋の東武百貨店に一軒あることがわかった。いつできたんだろう。全然知らなかったな。池袋は近くという訳じゃないにせよ月に何回かは行く勝手知ったる場所だしニトリに用があるという家人と行き先も同じということで今日行ってみた。そしたら本当にあった。（当たり前か。）こぢんまりしてるけど言うまでもなくすごくセンスがいいショップだ。ダッフルコートと紺のブレザーとツイードのジャケットに目が留まる。でも思ったほど高くなかった。どれかひとつなら冬期講習の臨時収入で買えるかも知れない。今はここ三十数年で初めてブレザーを所有してない時期なのでまずはブレザーも欲しい。でも裏地がブラックウォッチ（紺と緑のトラディショナルなタータンチェックですね。）のダッフルコートもすごくいい。トグルは木製の浮き（魚釣りに使うあの浮き）かそれを模したもので白いロープで取り付けてある。個人的にトグルは鹿の角よりも浮きの方がはるかに気に入っている。それとVANのダッフルコートは知る限りいつも裏地がブラックウォッチなんだよね。かわいい。貧乏になると被服費なんてのは真っ先に削られることになる。実際この前のスクールマフラーも軽く清水の舞台だった。でもいい服を着る気に入った服を着るというのは本当にそれでしか満足できない種類の楽しみと言っていい。今は仕方なくずっと我慢してる訳だけど。
おしゃれと言えばこの前子供がおしゃれすると言ってもどんなものを買っていいかわからないと言い出した。基本的には家人が買い与えたものしか身につけないしおしゃれになんか無頓着なのかと思ってた。でも子供に言わせれば自分で買ってもどうせ家人にケチをつけられるだけなんじゃないかということだった。本当に家人がケチをつけるかどうかは僕にもわからない。ただ確実に言えるのはおしゃれがしたかったらそれなりの勉強をしなければならないということだ。個人的には浪人のときに同じ下宿の友人たちが皆トラッドと言うかアイビールックに興味を持っていたのでそれに感化されておしゃれに興味を持ち始めた。学生のときは一時期毎月「メンズ・クラブ」を買ってたしその増刊のアイビー特集号も何冊か持ってた。どんなアイテムがあるかとか着こなし方とかそういうのはやはり既存の知識をきちんと取り入れないとわかるようにならない。それから失敗すること。全然足の形に合わない派手なエスパドリーユ（リーガルだったと思う）やクリーニングに出しても一度足を通したらあっという間に折り目の線が消えてしまう麻のパンツ（Jプレスだった気がする）やどんなシャツの色とも合わない苔みたいなモスグリーンのチノパン（これはどこのか忘れた。大体モスって苔のことだ）とか僕も随分失敗した。でもそれは勉強代と思わなければならない。以来エスパドリーユも麻のパンツもモスグリーン系のチノパンも二度と買わない。あ一度年上の彼女があなたの色遣いはおとなしすぎると言って明るいグリーンのコットンパンツを強力に勧められて買ったことがある。あれは困ったな。彼女と会うときにしか身につけなかったと思う。というようなことを年上の彼女のところとかは端折って子供に話したら家人がパパはなんでも勉強なのねと感心したのかあきれたのか横から口を挟む。そうだよ悪かったな。
