指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

忙しかったもので。

アド・バード (集英社文庫)

アド・バード (集英社文庫)

なかなか更新できませんでした。すいません。つかまあ、更新を心待ちにされてるブログでもないとは思いますが。
上司がポケットマネーで招待してくれる忘年会の日だった。仕事納めが昨日だったのでねぎらいの意味もあって午前中は家人が子供を連れ出してくれた。それでひとりで家にいると得意先からケータイに着信があった。かけ直してみると、会期が来年1月初旬まで予定されているフェアに追加の商品を入れてくれないかという用件だった。これとこれが売り切れてしまいそうだが、年内に調達できないかと。会社的には年内の営業は終わっていたもののできないこともないので、何とかします、と答えた。家人と子供が帰宅して一緒に昼食をとった後、家人は子供を児童館へ連れて行き僕は会社へ向かった。
三時間あまりで商品は準備でき配送便の手配も整え上司主催の忘年会には間に合った。
そんな中で「アド・バード」を読み終えた。すごくおもしろかったけど、不満も無いではなかった。ちょっとご都合主義な気がする。「誰かと再会する」というのは現実的にはとても難しいことだ。そこをごまかしているような印象の「アド・バード」より個人的には「水域」の方がずっといいと思う。それから、捨てられた街に派手な広告が舞い踊るイメージは僕にはどうしても「ブレードランナー」の借り物のようにしか思えなかった。「ブレードランナー」的世界観の上にシーナ的古層が覆い被さったのがこの作品であるような気がした。だいたい広告にこれほどの意味が込められたのは本当に短い期間でしかなかった。その短い期間の間でしか、この物語は有効でない気がした。