指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

2011-01-01から1年間の記事一覧

おんなになる手前。

桜庭一樹著 「荒野」 自分からは読まないと思うけど貸してくれる人がいたので。女の子、荒野(こうや)の中学入学から高校一年くらいまでが描かれる。鎌倉が舞台で季節の移り変わりが美しい。 親との問題、友だち、恋、という道具立てを通して一貫して描かれ…

見つけた。

カズオ・イシグロ著 小野寺健訳 「遠い山なみの光」 カズオ・イシグロの作品で個人的に読み残した最後の本はアマゾンではユーズドでしか出て来ずもしかしたら絶版なのかも知れなかった。(追記、その後、2011年4月30日付けで再版されたようです。)ゴールデ…

「滝野川のひと」もの三編。

西村賢太著 「廃疾かかえて」 個人的に「滝野川のひと」と呼んでいたキャラクターが秋恵という名前で登場している。 西村さんの作品を読むとあまりに身につまされて家人に対して謂われのない罪悪感を覚えたりして、しかもそれは結構深刻なものなので読もうか…

すごく個人的な話題。

「ゴジラ対ヘドラ」 「ごみつ通信」でごみつさんのレビューを拝読し、すごく懐かしくなったので家人に借りて来てもらった。映画の内容はよく憶えていないけど映画館に観に行ったことは断片的に憶えている。当時僕は群馬県の渋川市に住んでいて小学二年生だっ…

でもね、人生って誰か一人を愛することよりずっと大きいんだと思う。

カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳 「夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」 イシグロの短編を読むのは初めてだったけどものすごくよかった。「降っても晴れても」では大笑いさせられてそれもイシグロの作品では初めてのことだった。 五つの短編すべてに…

読んでいる。

冊数にすると昨年の一年分の本を今年は五月の初めまでに読んだ。なんでそんなに読めたかというと理由は簡単でゲームをしなくなったからだ。昨年はおそらく千時間以上をポケモンに費やした。ゲームの時間をすべて読書に当てれば、一時間に五十ページ読めると…

よい作品の条件。

吉本隆明著 「15歳の寺子屋 ひとり」 15歳の子供たちの質問にいろいろな人が答えて行く「15歳の寺子屋」シリーズのうちの一冊で、吉本さんが選んだ(かどうかはわからないけど)テーマは「ひとり」。ここ何年かの吉本さんの本を読んでいるとかつて吉本さんが…

銀座で展示会のはしご。

今日は家人と子供と一緒に銀座の百貨店催事の展示会をはしご。まずは松屋のバムケロとユリア・ヴォリ展。バムケロは子供が全作持っていてこの前久しぶりに出た新作も買った。隅々まで目の行き届いた挿し絵を眺めるだけでも子供たちにとって楽しい作品になっ…

揺らぐ「私」。

カズオ・イシグロ著 飛田茂雄訳 「浮世の画家」 これまで読んで来たカズオ・イシグロの作品では多かれ少なかれ記憶というもののあり方が問題となっていた。「私」とは記憶に拠る物語なのでそれは自分というもののあり方が問題となっていたと言い換えることが…

人生ゲーム。

たまに家人と子供とボード版の「人生ゲーム」をやる。何年か前に子供の誕生日に買ったものだ。昨日もそれで遊んでいたら僕のコマが「ブログが書籍化で五万ドルもらう」というマスに止まった。そんなのがあるんだね。僕のブログの冴えなさを心得ている家人と…

何かが違う。

村上龍著 「無趣味のすすめ」 今日はアイルトン・セナの命日だ。 村上龍さんはもう読まないとか書いたけど文庫だからいいかと思って買った。終始何かが違うと思いながら読んだ。前半は、こういうことがすでにできている人はこういうことを読む必要が無いだろ…

邪悪な世界。

カズオ・イシグロ著 入江真佐子訳 「わたしたちが孤児だったころ」 未確認だけどこれは「わたしを離さないで」ばかりか「充たされざる者」と比べても前の作品になるんじゃないかと思う。語り手の生は「孤児」という言葉によって異化されているがそれは「わた…

完全な門外漢なので何も言ったことにならないだろう。

内田樹著 「映画の構造分析―ハリウッド映画で学べる現代思想」 学生の頃ニューアカデミズムが流行った。浅田彰さんの「逃走論―スキゾ・キッズの冒険」で確か狭義の構造主義はきちんとわかる、みたいに紹介されていた故丸山圭三郎さんの「ソシュールの思想」…

変?

三週間くらい前から、これを撮ってる人が多かったので今日撮ってみた。 おぢさんとしてはあまり興味無いけど、でもそれほどひどいコーディネートでもないと思う、と言ったら家人が絶句した。

読みづらい。

万城目学著 「プリンセス・トヨトミ」 おもしろくなかった。何しろ激しく読みづらい。「鴨川ホルモー」と「ホルモー六景」を読んだとき勘でこの著者は短編に向いてるんじゃないかと書いた憶えがあるけど短編に向いてるんじゃなくて長編には向いていないとい…

それはしてません。

家人のママ仲間にアイドル好きの人がいるんだけどある男性アイドルと女性タレントの密会がスクープされたのに触れて、鍋物の鍋から彼女が彼の器に取り分けているところが写ってるんだってと家人に言ったそうだ。これに対して家人は女の子に鍋物の取り分けを…

最近知った。

Moumoonの「Sunshine Girl」。仕事中かけているラジオで聴いてすごく気に入った。僕が知ったのはつい最近のことだけどリリースは昨年の夏前みたい。アルバム「15 Doors」を今日家人が借りてきてくれたんだけどこの曲だけを繰り返し聴いている。 ヒットチャー…

スパゲティー本。

森見登見彦著 「恋愛の技術」 村上春樹さんの古いエッセイでスパゲティー本とはスパゲティーをゆでている間も手放せないほどおもしろい本、というようなことが書いてあったと思うんだけどこの「恋文の技術」は正に僕にとってそういう本だった。もっとも結婚…

カズオ・イシグロがちょっとだけ見つかる。

昨夜のNHK教育テレビのETV特集は「カズオ・イシグロをさがして」ということで最近読み始めたばかりだけどとりあえず全部読もうと思うほど気に入った作家なのですごく楽しみに見た。まあ内容としてはもっと作者のコメントを聞かせてよという不満はあったけど…

蝋石を買いに。

最近では道路に落書きする子供とかあまり見かけないし見かけたとしてもそれは決して良いことではないと思うんだけど僕なんかが小さかった頃は道路に落書きする子供というのが結構いた。僕が生まれ育ったのはいなかだったし交通量だって今よりずっと少なかっ…

そうでもないのかな。

「王様のブランチ」の新作映画紹介のコーナーを子供と見ていた。まえだまえだのふたりが出て来る「奇跡」という作品を子供が観たいと言うので、パパはやだな泣きそうだからと答えると、ちょっと強めの口調で、泣くのがやなの?と尋ねる。泣くのがいやかと言…

冗長という手法。

カズオ・イシグロ著 古賀林幸訳 「充たされざる者」 ハヤカワepi文庫で多少文字が大きく行間が広めにとってあるにしても九百ページ超はやっぱり長い小説ということになると思う。しかもいわゆるリアリズムでは書かれていない。「わたしを離さないで」の設定…

禁煙の終わり。

結局ほとんど禁煙しなかった。部下が出張先から電話をくれて「マイルドセブン、全然売ってますよ。」と言うので買って来てもらったからだ。その後主要銘柄に関しては出荷が再開されると聞いたので買って来てもらった数箱を吸い切る前には入手可能になるかも…

ご報告とお礼。

今日で千エントリ目となりました。いつもご覧いただいている皆さまのおかげです。どうもありがとうございます。 ここのところ千エントリを目指してほぼ毎日更新して来ましたけど、達成して気が抜けて休みがちになったりしたらごめんなさい。 これからもどう…

渋谷で立ち食いピザ。

家人が久しぶりに外回りについて来て、渋谷のCONAという店で立ち食いのピザを昼食に食べた。 http://r.gnavi.co.jp/e192500/ 立ち食いでひとり五百円というのでシェーキーズのランチみたいにピースに分けられたピザを食べるんだと思っていたんだけど、そうで…

文学なんて知らない。

橋本治著 「「三島由紀夫」とはなにものだったのか」 最近外回りの途中で渋谷のブックオフに行くようになった。さして回り道をしなくて済むところに一軒見つけて以来のことだ。長居はしない。文庫版のカズオ・イシグロの作品があればいいなと思って毎回探す…

お花見。

子供が幼稚園に上がる前は休みを取って井の頭公園にお花見に行っていた。うちからは結構遠いけどボートに乗って池の水面から見る桜が好きだったからだ。幼稚園に上がると家人と子供は春休みと夏休みに帰省するようになった。春休みに一週間ほど帰省するとち…

やはり疲れているみたいだ。

今週は特に仕事が忙しい訳でもなかったのに月曜日から疲れていた。暗く考え過ぎだと家人が言う通りいろんなことを深刻に考えて考えて考えているせいなんじゃないかと思う。今日は10時半頃まだ寝ているところへ家人がやって来てリラックマの期間限定のパンケ…

たばこの買い置きが無くなる。

たばこが手に入らなくなりそうだと聞いたときもさして大変なことには感じられなかった。たとえば水とかお米とかそういうのが手に入らなくなるのに比べたらまるで大したことじゃない。それで安閑としていたらついにコンビニでも駅の売店でも自分の吸っている…

子供が泣く。

昨夜お風呂から上がってきた子供の表情がさえないので、どうしたのかと尋ねてみた。担任の先生が初めて男の先生になったことは昼間聞いていたけどどうやら恐い先生だという噂があるらしくそれが不安なのと、もうひとつ今学年からクラブ活動が始まるに当たり…