指栞(ゆびしおり)

前にも書いたかも知れないけど。

これは楽しいです。

村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事作者:村上 春樹発売日: 2017/03/17メディア: 単行本 もうタイトル通りの本。訳書と原書の書影と村上さんのコメントで構成されたパートと、柴田元幸さんとの対談、それと村上さんが初めて訳された「サヴォイでストンプ」という…

2月24日に備えて。

プレイバック作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/12/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る 新しいバイトを始めることにしたのでそれまでに確定申告を済ませておきたかった。それ…

羊男のクリスマス。

文庫版は持ってたんだけどこの前最寄りのブックオフで単行本を見つけたので買った。久しぶりに読み返すと「羊をめぐる冒険」や「シドニーのグリーン・ストリート」に出て来るのとはまた違った羊博士とか、208と209とかねじけとか出て来て楽しかった。どれく…

面倒な人。

可愛い世の中作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/05/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 個人的には話しの通りのよいあまり面倒に思われない人を無意識に目指している気がする。それはたぶん内的な自分と対外的な自…

誰にも似ていない。

ボーイミーツガールの極端なもの作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2015/04/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る いろいろな角度からいろいろな感想が言えそうだけど、作品の中にも登場し作品…

ごめんなさい。

29歳 (新潮文庫)作者: 山崎ナオコーラ,中上紀,野中柊,宇佐美游,柴崎友香出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/02/27メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見る 山崎ナオコーラさんの作品しか読んでません。ごめんなさい。 個人的には29…

強い思い。

太陽がもったいない (単行本)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/07/12メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る 「男友だちを作ろう」と同様「webちくま」に連載されていたものを単行本化。初出は2013年…

いろいろなことがはっきりする。

男友だちを作ろう作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/06/11メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (10件) を見る 作家のエッセイを読むとその作家の考え方がダイレクトに書いてあって小説で読み切れなかったいろいろ…

「女の本性は龍なのだ。」

お父さん大好き (文春文庫)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/03/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 単行本「手」を文庫化に当たって改題ということだ。作者の作品にはこういうことがあって文庫版の「「ジューシ…

ぎりぎりの危うさ。

珍妙な峠作者: 町田康出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2016/11/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る 冒頭を読むと「バイ貝」とかすかにつながった続編だと思えるけど「年の瀬の濁流」に飲み込まれたあたりから「バイ貝」の…

ふつうの独居老人は?

独居老人スタイル (単行本)作者: 都築響一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/12/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (20件) を見る 独居老人のインタビュー集。ただそれぞれの肩書きを見ると、アーティストとか道化師とか日本舞踊家とか漫画家とか…

スローな民主主義にしてくれ。

丘の上のバカ ぼくらの民主主義なんだぜ2 (朝日新書)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2016/11/11メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 前作「ぼくらの民主主義なんだぜ」の四つ目の文章と同じタイトルになっちゃったんだ…

上とか下とか。

昼田とハッコウ作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/09/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る この作者の作品を読んでいてもうひとつ気にかかるのは、たとえばこの作品で言えば「上から目線」とか「下に見ている」とか…

貫く。

この世は二人組ではできあがらない (新潮文庫)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/12/01メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (9件) を見る これまで読んだきた作品のいずれにも言えることだけど、この作者の描く主人公…

コンプリートしよう。

ぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)作者: 高橋源一郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2015/05/13メディア: 新書この商品を含むブログ (98件) を見る 前職を辞めて丸四年が過ぎた。その間ずっと、数少ない例外を除いて本を読む習慣が途絶え、自分にと…

感受性について。

男と点と線 (新潮文庫)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/02/27メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る 他にもよく知らないことはたくさんあるんだけど、中でも絵画についてはほとんど何も知らない。この前…

悲しい。

ニキの屈辱 (河出文庫)作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/06/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 主人公は若い女の子で写真家だ。と書くとこの前読んだ「私の中の男の子」が思い出されるけどその主人公、雪村…

不思議な時制。

私の中の男の子作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/02/24メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (6件) を見る 主人公は若い女の子で作家だ。デビュー二作目の単行本のカバー画が送られて来る。 メール添付で、カバー案…

古風な倫理。

短篇五芒星作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/07/13メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (24件) を見る 五つの短編が収められている。四編目に出て来る本郷タケシタケシは「ディスコ探偵水曜…

違和感と夢。

穴 (新潮文庫)作者: 小山田浩子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/07/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る 夫の転勤のため自分は仕事を辞めて夫の親が家主である夫の家の隣に建つ一軒家に引っ越す。それだけで様々に気を遣わねばならない…

それは違う。

バイ貝作者: 町田康出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2012/03/21メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (16件) を見る 貨幣は鋳造された自由である、というドストエフスキーのものとされる言葉から始まる。でも語り手はその言葉の解釈をおそら…

読んでいた。

高い窓 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/08メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る 書店で見かけたときは大変失礼ながら、村上さん訳のチャンドラーは…

はかない理由。

NOVEL 11, BOOK 18 - ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン作者: ダーグ・ソールスター,村上 春樹出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2015/04/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (20件) を見る これも新刊で買ったんだけど一年以上放置した後…

自分のことしか考えない。

ギケイキ:千年の流転作者: 町田康出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/05/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (85件) を見る 新刊で書店に並んでいたときに買ったんだけど読み始めるのに数ヶ月かかってこの度読了。死んでからも魂を現代まで生き…

お役所仕事。

逆回りのお散歩 (集英社文庫)作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/11/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (5件) を見る お役所仕事の恐怖を描いた作品ということになると思う。ただしそれなら「となり町戦争」さえあれば充分じゃないかと…

物語との戦い方。

美しい距離作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/07/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 誰もが自分の物語を抱えて生きているけどそのことをどの程度意識しているかは人によって随分違うように思われる。主人公は自…

想像力と倫理。

想像ラジオ (河出文庫)作者: いとうせいこう出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/02/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (20件) を見る 長い間、と言っても初版が出てからまだ三年半ほどだけど、ずっと読みたい、読まなきゃ、と思っていた作品。死…

どこでもない場所。

カズオ・イシグロ「忘れられた巨人」 カズオ・イシグロの作品を読み始めたのは短編集「夜想曲集」がすでに文庫化された後だったので出版されたばかりの単行本を買うのはこの作品が初めてということになる。こういうのをある作家に「追いつく」と個人的には呼…

また新井さんの作品が読めてよかった。

このブログを最近「新井千裕」のキーワードで検索して訪れて下さった方がいた。それがきっかけで調べたら昨年の12月の同じ日に単行本と文庫の二冊が中公から出ていたことがわかった。それで次の休日だった先週の日曜に池袋に買いに行った。リブロで検索をか…

忙しいときほど。

なかなかページを開くことができなかったけど読み始めたら時間を見つけては読み続けて一週間くらいで読み終えた。忙しいときほどがんばって本を読んだ方がいいということを実感。「今ここ」からつかの間離れることができるからって、そんな当たり前なことも…